住宅金融支援機構の審査で覚えておきたい5つのポイント

住宅金融支援機構の審査で覚えておきたい5つのポイント

住宅金融支援機構の住宅ローンを利用するにあたり、気になるのは審査のこと。もし審査に通らなかったら・・・と、不安に思う人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、住宅金融支援機構の審査についてポイントをチェックしたいと思います。住宅金融支援機構の住宅ローンでマイホームの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

その1 審査の条件

住宅金融支援機構の住宅ローンは、主に「フラット20」「フラット35」「フラット50」の3つのプランがあります。まずは、審査の対象となる条件を満たさなければなりません。

つまり、この条件を満たしていなければ、申し込んだとして即答で融資の対象外になるわけです。基本的なことですが、意外と見落とす人もいるのでチェックしておきましょう。

<審査の前提となる条件>

  • 融資の対象は原則70歳未満の人
  • 日本国籍または永住許可を受けている人
  • 融資の対象となる土地や建物の一部または全部の所有者
  • マイホームの購入価格または建築費の90%を限度として最高8,000万円まで
  • 購入するマイホームが住宅金融支援機構の定める技術基準に適合していること
  • 安定した収入があること

その2 住宅金融支援機構の定める技術基準とは?

技術基準とは、断熱性(耐火構造)や耐久性(耐震性)など住居の安全性を確認し、住宅金融支援機構が定めた基準にもとづいて物件の性能を評価するテストです。

技術基準に適合しなければ融資を受けることはできません。適合証明検査機関が検査を実施し、基準に合格すると適合証明書が交付されます。

<一戸建ての条件>

・接道:原則として一般の道に2m以上の接道

・住宅の規模:住居の床面積が70m2以上(バルコニーや車庫は含まない)

・住宅の規格:原則として2部屋以上の居住室があること

・併用住宅の場合:住居部分の床面積が全体の2分の1以上であること

・戸建型式など:木造の住宅(※1)は一戸建て、または連続建てに限る

・断熱構造:住宅の外壁、天井又は屋根、床下などに所定の厚さ以上の断熱材を施工(※2)

・住宅の構造:耐火構造、準耐火構造(※3)または耐久性基準(※4)に適合

・配管設備の点検:点検口などの設置

・区画:住宅相互間などを1時間準耐火(※5)の界床・界壁で区画している

<マンションの条件>

・接道:原則として一般の道に2m以上の接道

・住宅の規模:住居の床面積が30m2以上(バルコニーや車庫は含まない)

・住宅の規格:原則として2部屋以上の居住室があること

・併用住宅の場合:住居部分の床面積が全体の2分の1以上であること

・戸建型式など:木造の住宅(※1)は一戸建て、または連続建てに限る

・断熱構造:住宅の外壁、天井又は屋根、床下などに所定の厚さ以上の断熱材を施工(※2)

・住宅の構造:耐火構造、準耐火構造(※3)または耐久性基準(※4)に適合

・配管設備の点検:共用配管を構造耐力上主要な壁の内部に設置しないこと

・区画:住宅相互間などを1時間準耐火(※5)の界床・界壁で区画している

・床の遮音構造:界床を厚さ15cm以上(RC造の場合)

・管理規約:管理規約が定められていること

・長期修繕計画:計画期間が20年以上のマンション

※1 耐火構造の住宅および準耐火構造(省令準耐火構造を含む)の住宅以外の住宅

※2 断熱など性能等級2レベル、または省エネルギー対策等級2レベル

※3 省令準耐火構造も含む

※4 耐久性基準とは、基礎の高さや床下換気孔などに関する基準

※5 準耐火構造の規定では45分準耐火と1時間準耐火がある

その3 審査に必要な年収の基準

住宅金融支援機構の住宅ローンには「フラット20」「フラット35」「フラット50」といった3つのプランがあります。それぞれ定められた返済期間が異なり、金利も違います。

  • フラット20

金利・・・年1.01%~1.55%(最大で年2.00%)

返済期間・・・1年~20年まで

  • フラット35

金利・・・年1.12%~1.82%(最大で年2.11%)

返済期間・・・21年~35年まで(21年以下はフラット20が適用される)

※フラット35S

Aプラン・・・借入後10年間の利息がフラット35の金利よりも0.25%~0.3%低くなる

Bプラン・・・借入後5年間の利息がフラット35の金利よりも0.25%~0.3%低くなる

  • フラット50

金利・・・年1.47%~1.91%(最大で年2.41%)

返済期間・・・36年~50年まで(36年以下はフラット35が適用される)

住宅金融支援機構の審査で覚えておきたい5つのポイント

住宅金融支援機構の住宅ローンを利用するにあたり、年収の最低ラインは制限されていません。つまり、「いくら以上の年収がないと融資できない」という基準はないのです。

住宅ローンで年収が審査の基準になるのは、「収入に見合った返済額」を決めるためです。毎月の返済額を考えて、そこから融資の限度額を金融機関は決定します。

たとえば、年収120万円(月収10万円)の人に3,000万円を融資しても、毎月9万円を返済していくのは難しい話。この条件では3,000万円の融資は不可能と判断するわけです。

さらに、住宅ローンは長期の返済(フラット35は最長で35年まで)になるため、継続的に返済していけるのか=安定した収入があるのか、という点も審査の基準になります。

その4 融資の限度額と年収の基準

住宅金融支援機構の住宅ローンで定められている融資の限度額は、「年収400万円未満は30%」「年収400万円以上は35%」です。この基準を「返済負担率」と言います。

住宅金融支援機構の審査で覚えておきたい5つのポイント
  • 年収400万円未満の返済負担率は30%
  • 年収400万円以上の返済負担率は35%

まず、融資する側としては「返済可能な金額」が「融資の限度額」という考え方です。住宅金融支援機構の審査では、年収をもとに、30%と35%の返済負担率から融資の限度額を決定します。

たとえば、年収500万円の人(金利1.2%・返済期間35年・ボーナス払いなし)が住宅ローンを申し込んだ場合、返済負担率を基準にした限度額の目安は5,000万円となります。

・年収500万円×返済負担率35%=1,750,000円が1年間で返済可能な金額

・175万円×返済期間35年=61,250,000円

では、61,250,000円を借りられるかといえば、そうではありません。

この場合、金利(利息)を含めて61,250,000円なので、そこから金利を差し引いた金額が融資の限度額(借入可能な元本)になります。

・61,250,000円のうち、11,250,000円は金利分(年1.2%)

・61,250,000円-金利11,250,000円=5,000万円が元本

・融資が可能な住宅ローンの元本は5,000万円となる

・金利を含め毎月の返済額は145,800円

・145,800円×12ヶ月=175万円(年収500万円に対して返済負担率35%になる)

このように、住宅金融支援機構の審査では「年収に応じた返済負担率」をもとに「住宅ローンの限度額」を決めているわけです。

その5 住宅金融支援機構は技術基準を重視している

住宅金融支援機構は「年収」と「技術基準」を重視して審査しています。一つでも条件を満たしていなければ、ほぼ審査に落ちるでしょう。

なかでも細かくチェックされるのが技術基準です。年収は問題ないけど技術基準に適合しないという理由から融資を断られる人もいるようです。

また、フラット35やフラット50など住宅金融支援機構の住宅ローンは、「民間の金融機関を通して住宅金融支援機構から融資を受ける」ことになります。

たとえば、三菱東京UFJ銀行を窓口にして住宅金融支援機構の住宅ローンを利用するという流れです。そのため、民間の金融機関で一次的な審査を受けて、住宅金融支援機構の本審査を受ける内容となります。

何度も言うようですが、本審査では技術基準を重視するので、住宅金融支援機構に融資を申し込む場合は購入する予定の物件が基準に適合するかを細かくチェックしましょう。

住宅金融支援機構の審査で覚えておきたい5つのポイント

住宅金融支援機構の審査 まとめ

さて今回は、住宅金融支援機構の審査について5つのポイントをご紹介しましたが、いずれも見落とせない重要な項目なので覚えておきたいところです。

  • 融資の対象は原則70歳未満の人
  • 日本国籍または永住許可を受けている人
  • 融資の対象となる土地や建物の一部または全部の所有者
  • マイホームの購入価格または建築費の90%を限度として最高8,000万円まで
  • 購入するマイホームが住宅金融支援機構の定める技術基準に適合していること
  • 安定した収入があること
  • ・住宅金融支援機構の住宅ローンにはフラット35・20・50の3つのプランがある
  • ・住宅金融支援機構の審査は「返済負担率(年収)」と「技術基準」を重視している
  • ・返済負担率は年収によって異なり、30%と35%が基準になる
  • ・住宅金融支援機構の住宅ローンは返済負担率をもとに融資の限度額を決めている

一つでも条件から外れていれば、問答無用で審査に落ちます。フラット35やフラット50など住宅金融支援機構の住宅ローンを利用したい人は、見落としがないようチェックしておきましょう。