中古マンションらくらくフラット35を利用する条件は?

中古マンションらくらくフラット35を利用する条件は?

住宅金融支援機構が隔月ベースで発表している「民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、フラット35の利用者は注文新築が54.4%と全体の半数以上を占め、次いでマンションの購入者が16.1%、新築建売が11.4%と続きます。

最多となった注文新築の中でも、敷地同時取得のケースが全体の37%。実に4割近くとなり、やはり高額な物件を買う際にフラット35が利用されることが数字で実感できます。しかし、土地付き新築注文一戸建てに比べれば明らかに経済的な、中古マンションの購入者にも、実はフラット35の利用者は多いのです。その数、全体の9.4%で、3番目に多い新築販売とは2ポイントしか差がありません。

実は中古マンションの中には、「中古マンションらくらくフラット35」(以下「らくらく」)と呼ばれる物件が存在し、その認定を受けると公的ローンに不可欠な物件検査を省略できるのです。この物件検査には手数料がかかり、中古マンションでも5~9万円が基本料金という業者もあるほどなので、省略できれば金銭的にも節約となります。

1.中古もいいかも? と思わせる「らくらく」のメリット

中古マンションらくらくフラット35を利用する条件は?

この検査は第三者である適合証明検査機関か、適合証明技術者に申請し、適合証明を発行してもらうためのもので、この証明がないと、そもそもフラット35などの公的ローンには申込めません。加えて申請から発行までには、最短でも1週間前後と時間もかかり、さらに適合しなかった場合は技術基準に満たすよう設計を見直すか、中古なら改修・補修をするか、逆にローンの計画を考え直すかしなければならなくなります。

こうした不安や、手数料などの直接的な負担が「らくらく」を選べば自動的になくなるわけです。比較的割安な中古マンションの購入に、意外なほどフラット35が利用されている理由は、こうした側面も影響しているのではないでしょうか。

この「らくらく」に該当するマンションは、フラット35の公式Webサイトで検索ができます。地図上から都道府県→市区町村と選択する以外に、条件検索ではより詳しく、任意のマンション名まで指定して検索できるので、いま住んでいる県外で物件を探す際にも便利です。

検索は基本的に地域でしか絞り込めませんが、検索結果にはマンションの総階数や総戸数、フラット35なのか【フラット35】Sに適合するのかも表示されます。Sの場合はこれらに加え、たとえば「省エネ」など求められる性能についても明らかにされています(Sの場合、基本的にBプランで、Aプランを希望の場合は物件検査による適合証明書が必要)。

2.条件はフラット35に準ずるが、掲載物件が流通していないことも!?

ただし、情報が掲載されているからといって、すべてが対象になるわけではありません。以下のようなケースは条件に外れた物件として、融資が認められないこともあります。

①建物の地上階数が2、つまり2階建て以下の場合

(「マンション」として扱われないため)

②敷地が保留地、転貸借地などの場合

③借入れ申込日の時点で、竣工から2年以内の、人が住んだことのない住宅

(「中古」として扱われないため)

④住宅の床面積が30平方m未満

(フラット35の場合。財形住宅融資の場合は40平方m未満か、280平方m超の物件)

⑤店舗などの非住宅の床面積が全体の1/2以上のとき

(フラット35の場合。「住宅」を前提としているためで、財形住宅融資の場合、非住宅部分があると利用不可)

⑥敷地か建物に買戻権が設定されている場合

(金融機関によっては、そもそも買戻権が設定された物件へのフラット35(保証型)は取扱っていない場合も)

また、検索結果として表示される物件情報は、随時修正はしているものの、原則「らくらく」への登録手続き時点のもの。現状と異なる可能性もある上、マンションの管理組合の登録の場合を除いては、適合証明手続きをしていないので、劣化状況などについても確認されていません。

そもそも空室があるのかも不明で、最悪の場合、物件自体が建て替えられ、存在していないケースもあり得ます。ただ、こうした点は、不動産会社に問合せればわかることですし、そもそも物件の住所や価格を調べる時点で判明することなので、大事に至ることはないと思います。

3.書類の申請から発行までの、手間もヒマも「らくらく」に

中古マンションらくらくフラット35を利用する条件は?

さて候補が出そろい、買える価格の買いたい物件だとして不動産会社とも話がまとまり、いよいよ申込む段階となったら、今度は「適合証明省略に関する申出書」が必要になります。これら公的ローンの書類の入手には、手間ヒマがかかるケースが多いですが、この場合は公式Webサイトの検索結果から印刷画面に移動できて簡単、まさに「らくらく」です。

印刷した「申出書」に必要事項を記入し、申込み先の銀行などに提出すれば、受け取った金融機関後は住宅金融支援機構が審査に入ってもらえます。なお、ここまでフラット35を中心に話を進めてきましたが、 この申出書があれば、中古住宅対象の財形住宅融資の適合証明書や、災害復興住宅融資の際のリ・ユース家屋購入物件審査に関する通知書の取得も省略できます。

そんな具合で見てきましたが、サービス名どおり「らくらく」なメリットも多「中古マンションらくらくフラット35」。申込み人個人についての利用条件は基本的にフラット35と同様で、年齢や年収に対する総返済負担率など変わりがありません。新築にこだわりがなく、スピーディでスムーズな住宅取得を希望しているようなら、長期固定金利が利用できるだけに、一度は検討する価値のある公的ローンだといえましょう。