フラット35の借り換えのメリット・デメリットを教えて!

フラット35の借り換えのメリット・デメリットを教えて!

銀行や信用金庫など民間金融機関と、政府系金融機関の住宅金融支援機構が提携し、提供する全期間固定金利の住宅ローンがフラット35です。お金を受取る際に、返済終了までの借入れ金利と返済額が決まるので安心できますし、早い時期に今後の住宅費用がある程度メドがつくので、お金の配分をより具体的に考えられるのです。

このようにメリットの多いフラット35ですが、では住宅ローンの利用者が全員、この制度を利用するかといえば必ずしもそうではありません。その中には審査に通らず、使いたくても利用できない人もいますが、あえて使わない、借換えない人もいるのです。

一長一短という言葉があるとおり、長所があれば短所があるわけで、今回はそのメリットとデメリットを明らかにしていきましょう。

1.固定金利は安心・安定につながるが、両刃の剣でもある

まずフラット35の最大のメリットとされる“長期固定金利”。これはメリットではありますが、実は同時にデメリットともなり得ます。確かに先に書いたように、早い時期に返済終了までの借入れ金利と返済額が確定し、今後出ていく金額がある程度わかれば、返済計画も立てやすくなります。

火事や自然災害など、不測の事態はあっても、ある程度なら保険で対応できるでしょうし、どの程度貯金しておけば対応できるかシミュレーションもしやすくなります。

しかし2016年1月以降、日本ではゼロ金利どころかマイナス金利政策がとられ、金利が下がることはあっても、すぐに上がるとは考えにくい状況です。ということは、固定金利を選んだ後も低金利の状態がずっと続き、結果として割高な金利を払い続ける可能性もあるのです。

そこでフラット35からフラット35、つまり長期固定金利ローンから、さらに安い固定金利でのローンへの借換えが選択肢に入ってくるのですが、それでもさらなる金利低下による損してしまう可能性はつきまといます。

こうなってくると自己判断というか、自分で納得できる方を選ぶしかありません。そんなわけで、フラット35など長期固定金利ローンのメリットと、デメリット(裏返せば変動金利のメリット)を以下に示すことで、端的な判断基準としましょう。

・フラット35など固定金利のメリット

=将来大幅に金利が上昇すればお得。同じ固定金利の住宅ローンなら、より低金利なフラット35に借換えるとさらにお得。

フラット35の借り換えのメリット・デメリットを教えて!

・固定金利のデメリット/変動金利のメリット

=市場金利が下がっても払う金利は変わらず、総返済額は減らない。このため、フラット35は変動金利や短期固定金利と比べて、あらかじめ金利が高くされ、同じ金額でも返済額が高くつくことも。

フラット35の借り換えのメリット・デメリットを教えて!

つまり、“ずっと低金利が続いて、少なくとも返済期間までは大きく上がらない”と判断するなら、フラット35は仮換えどころか始めから選択肢から排除すべきなのです。ネット銀行などが用意する、下げ幅の大きい変動金利ローンを選ぶのがお得となりのです。

2.団体信用生命保険(団信)の任意加入は特か損か?

フラット35の借り換えのメリット・デメリットを教えて!

フラット35のメリットがデメリットになる、というのは金利だけではありません。もう一つ、両刃の剣となるのが団体信用生命保険、団信への加入です。

民間金融機関の住宅ローンを利用する場合、団信への加入は必須で、これができなければ借入れ自体ができません。しかしフラット35なら加入は任意なので、健康状態に不安があり、団信へ加入できない人でも申込め、審査が通れば利用できます。

とはいえ、そもそも団信というものは、ローンの返済が終わらないうちに、契約者に万一のことがあって返済できなくなってしまった場合に、残りのローン残高分を保険金で支払うための保険。加入することで、万一の時にも契約者の家族が、そのままローンで買った物件に住み続けることができ、ローン返済を肩代わりする必要がなくなるわけです。

このため、民間のローンでは団信の加入を必須としてリスク回避する代わりに、その特約料を通常金利に包含することで、契約者の負担を軽減しています。こうした優遇措置が、フラット35にはないのです。

一応、「機構団体信用生命保険特約」に加入することで、万一の事態に対する備えはとれますが、飽くまで別途となります。同じリスクに対応する備えではありますが、特約料は金利固定のローン返済額と違い、借入残高に応じた額を別に毎年支払わなければなりません。

この団信については、フラット35からフラット35への借り換えならば、すでに利用ずみで勝手がわかっているので問題ないとは思います。とはいえ、最初にフラット35の契約をしたときよりも、契約者は確実に高齢化し、団信の価値はより現実味を帯びているはずなので、未加入のまま利用するのはムリがありますし、より真剣に考える必要があるでしょう。

また、民間の住宅ローンからフラット35に借換えようという人にとっては、毎年必要になる団信の特約料は負担になってくるでしょう。金額は借入れ額によって異なりますが、100万円以上のケースがほとんどといいますから、ローンの返済額と別に用意するには大きな出費です。

3.やりやすいようでハードルのある繰上げ返済

これまでメリットがそのままデメリットになるケースを紹介してきましたが、似ているようでちょっと違うケースを紹介していきましょう。

たとえば繰上げ返済手数料。住宅ローンの繰上げ返済をしようとすると、民間だと1~3万円程度の手数料が必要なプランもありますが、フラット35の場合、繰上げ返済手数料は無料です。

フラット35の借り換えのメリット・デメリットを教えて!

「返せる時になるべく返したい」という人にはメリットといえますが、フラット35の場合、繰上返済の最低金額はインターネットからで10万円、金融機関の窓口では100万円からと高めです。民間金融機関の多くの住宅ローンが、1円単位での繰上げ返済に対応していることを考えると、なんというか融通が利かない感じがします。こまめに繰上げ返済し、早めに終わらせたい人には痛しかゆしといったところでしょう。

4.物件、借入額・期間の制限がある

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フラット35は国民全体の住宅の取得を促す制度でもありますが、同時に優良住宅の普及も目的としているので、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合しない住宅の購入には利用できません。適合するかどうかは第三者である検査機関による物件検査を経て、「適合証明書」の交付を受けなければなりませんが、これにも費用や手間ヒマがかかります。

現在もフラット35を利用し、借換える場合にも、改めて検査と証明書の取得が必要になるので面倒といえば面倒ですし、他のローンから借換える場合はそもそも検査で適合せず、審査落ちする可能性もあります。

また、フラット35の借換えの場合、最大借入可能額は8000万円、借入期間/返済期間は最低15年以上(申込み時、60歳以上だと10年)に設定する必要があるなど、制限が多いのも特徴です。

こうした制限があり、ある程度条件が厳しいからこそ、フラット35はさまざまな安心・安全要素が用意できるともいえます。現時点でフラット35を利用されている人なら、ある程度条件をクリアできている、または勝手がわかっているはずですから、契約時から大幅に金利が下がっているようなら借換えもおすすめです。

一方、他の変動金利のローンをご利用の方は、熟慮の上でそちらを選んだのですから、安易にフラット35への借換えはおすすめできません。ただ、日銀のゼロ金利政策は、いつまでも続くものとは思えませんので、動きがあったら検討してみるのも悪くないでしょう。