フラット35の審査基準とは?銀行の住宅ローンとフラット35違いをご紹介します。

フラット35の審査基準とは?銀行の住宅ローンとフラット35違いをご紹介します。

これから住宅ローンを利用しようと考えている方の中で、「銀行の住宅ローン」と「フラット35」のどちらを利用するかで迷われている方も多いのではないでしょうか?
住宅ローンを選ぶためには、それぞれの違いをしっかり把握して、自分のライフスタイルや希望に合ったものを選ぶことが大切です。
今回は確実に自分に合った住宅ローンを選ぶために、「銀行の住宅ローン」と「フラット35」の違いについて解説していきます。

1.銀行の住宅ローンとフラット35の違いは?

(1)審査基準の違い

「銀行の住宅ローン」と「フラット35」にはいくつかの大きな違いがありますが、まず1つめに審査基準の違いがあります。
「銀行の住宅ローン」の場合、申し込み条件や審査基準が明確にされておらず、どのような基準で審査通過となるのかが分かりにくい傾向があります。
フラット35の審査基準とは?銀行の住宅ローンとフラット35違いをご紹介します。
審査基準が不明瞭である「銀行の住宅ローン」に比べ、「フラット35」は自分が審査に通過できるかどうかをある程度事前に把握することが可能です。
そのため「銀行の住宅ローン」よりも、「フラット35」の方が一般的に審査に通過しやすいとされています。
ただし「フラット35」は申込者本人の審査基準は甘めでも、建物に対しても一定の審査基準を設けており、物件検査を受けなければなりませんので注意が必要です。

(2)金利タイプと平均金利の違い

「銀行の住宅ローン」と「フラット35」には、適用されている金利タイプの違いもあります。
基本的に住宅ローンで適用される金利には、3つのタイプが存在します。

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①全期間固定金利

借入している期間中、金利が変わらないタイプです。
借入スタートから完済まで金利が変動しないため、借入前に返済プランを立てやすいタイプです。
将来的に金利が上昇するような局面があったとしても、世の中の情勢に影響を受けることがありません。
ただし同じタイミングで借入をした場合には、他の2つの金利タイプに比べて金利水準が高めの設定になっています。

②一定期間固定金利

借入スタートから一定期間のみ金利が固定され、一定期間が過ぎると「固定金利の継続」か「変動金利への変更」を選択できるタイプです。
一定期間の固定期間が終了すると、改めて金利タイプを選べるところが魅力となっています。
また、固定期間の間は金利を優遇するサービスを行なっているところも多いようですが、一定期間終了後の選択によっては一気に金利が上がってしまう危険性もあります。
同じタイミングで借入をした場合には、他の2つの金利タイプの中間くらいの利率で設定されていることが多いようです。

③変動金利

半年に1回のペースで金利が変動するタイプです。
ただし、最初の5年間は返済額が一定のため、借入から5年間は利息と元金の内訳が変化します。
同じタイミングで借入をした場合に、一番金利が低く設定されていますが、半年に1回という短いスパンで変動するため定期的に金利のチェックが必要になったり、金利の変動により他のタイプよりも金利が高くなったりしてしまう可能性もあります。

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「銀行の住宅ローン」の場合には、銀行によってどの金利タイプを利用しているかが異なり、「フラット35」は扱っている金利タイプが全期間固定金利のみとなっています。
そのため、明確な返済プランを立てたいのであれば「フラット35」、少しでも利息を節約できる可能性に賭けるのであれば「銀行の住宅ローン」を検討するということになります。

(3)団体信用生命保険加入の違い

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団体信用生命保険とは、ローン契約者が返済期間中に死亡した場合や重度の障害になった場合に、契約者に代わって貸付け業者に返済を行なってくれるという保険です。
「銀行の住宅ローン」を利用する場合には、この団体信用生命保険への加入が義務づけられています。
しかし、保険料は金利に含まれているため、返済とは別にお金を負担する必要はありません。
一方の「フラット35」は団体信用生命保険への加入は任意となっていますので、契約者の希望次第では加入することになります。
この場合には保険料を別で支払う必要があり、借入金額や借入年数によっても違いますが、完済までの間におよそ200万円前後の保険料がかかります。

(4)引き落とし口座の違い

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住宅ローンの返済方法は、約定日に口座からの引き落としという方法になります。
「銀行の住宅ローン」は契約した銀行からの引き落としになるため、基本的に引き落としを他の銀行に設定することができません。
そのため、場合によっては給与や収入の入ってくる口座と別々の口座になってしまう可能性もあり、毎月別の銀行に振込をするという手間が発生する可能性があります。
しかし、「フラット35」の場合には自分の好きな銀行口座を利用することが可能なため、給与振り込み口座と同じ口座に設定しておくことが可能です。

(5)事務手数料の違い

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住宅ローンの費用では、住宅ローンの手続きに対する事務手数料も発生します。
手数料というと微々たる金額をイメージしがちですが、高額な住宅ローンの契約では決して安いものではありません。
手数料の金額の設定方法も「銀行の住宅ローン」と「フラット35」では傾向が異なっており、都市銀などのメガバンクでは3万円程度の手数料が主流となっており、「フラット35」では借入総額の2%程度が手数料の主流となっています。
借入をする業者によっても金額はそれぞれ異なりますので、住宅ローンを選ぶときにはしっかりチェックしておくことが大切です。

2.フラット35の審査基準を項目ごとに解説

前項でも審査基準については軽く触れていますが、フラット35の審査基準には大きく分けて下記のような2つの審査基準が存在します。

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この2つの審査から、更に細かい審査基準が存在します。

(1)申込者情報の審査

申込者情報には、下記のような審査基準があります。

 

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それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

①申し込み時の年齢が70歳未満の方

フラット35では、申し込み時の年齢を70歳未満に定めています。

民間銀行などが扱っている住宅ローンの場合には、そもそものお金を貸す理由が「利息を払いながら完済してもらう」という理由がありますが、フラット35の場合には完済以外の条件の他にも、国民の暮らしの基盤作りや優良住宅の普及などといった政策的な意味合いがあります。

そのため、民間銀行などが扱っている住宅ローンよりも、年齢の条件が優しめに設定されています。

②日本国籍の方、または永住許可を受けているか特別永住権がある方

これはフラット35に限らず他の住宅ローンでも同じことですが、一度利用者に貸付けを行なったら「貸付金+利息」を回収しなければなりません。

そのため貸し倒れのリスクを減らすためにも、短中期滞在者である外国籍の方はフラット35を利用することができません。

③年収に占める全ての年間返済額の割合が、フラット35の定める基準を満たしている方

フラット35は、年収に占める全ての年間返済額の割合の基準を下記のように定めています。

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ここでの年収とは、源泉徴収票や確定申告所に記載されている金額に不動産所得や事業所得、利子所得や配当所得などを合算したものになります。

年収に占める全ての年間返済額とは、車のローンからカードローンなどの利用分まで、企業とのお金の貸し借り一切のものを指しています。

クレジットカードの利用も含まれますが、キャッシング枠の利用とショッピング枠の分割払いとリボ払いのみ含みます。(ショッピング枠の一括払いは含まれません。)

ちなみに割合は、「年間返済額÷年収」にて割合を計算することができます。

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④申込者本人が借り入れ対象となる住宅や敷地の共有持分がある方

フラット35では、借り入れの対象となる住宅や敷地がすでにある場合には、住宅や敷地が本人の名義になっているか共有名義で申込者の持ち分があるということが条件になっています。

ただし、実際に申込者本人が居住しなければならないわけではなく、下記のような場合でも審査基準を満たすことができます。

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本人の本宅として居住するわけではなくても上記のいずれかであれば審査基準を満たすことができますが、本人の居住する住宅ではない場合には税金の控除が受けられませんので注意が必要です。

(2)住宅そのものの審査

民間銀行などが扱っている住宅ローンでは、申込者の返済能力に重点が置かれていますが、フラット35ではその他にも国民の暮らしの基盤作りや優良住宅の普及などといった政策的な目的にも重点が置かれています。

 

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また、一戸建てについては住宅そのものの検査が行なわれますが、マンションなどの場合には「【フラット35】登録マンション検索」というサイトを利用して、適合証明書が取得可能な住宅かどうかを調べます。

中古住宅の場合も基本的には同じですが、すでに適合証明書類を取得している一戸建ての場合は検査不要となります。

(3)融資率によっては審査基準が厳しくなることも

フラット35の公式サイトでは「融資率が9割を超える場合は、融資率が9割以下の場合と比較し、より慎重に審査をします。」といった内容の記載があります。

これは頭金が1割以下になることで貸し倒れのリスクが、9割以下の場合と比較して高くなってしまうためです。

そのため、融資率が9割を超える場合には審査基準が厳しくなり、利子も高くなる傾向があります。

(4)団信は任意加入でOK

銀行などの住宅ローンの違いとフラット35の違いの項でも説明しましたが、銀行などの住宅ローンの場合には団信への加入が必須となっていますが、フラット35の場合には任意加入でOKとなっています。そのため、団信へ加入しないと審査基準を満たせないということはありません。


3.フラット35の審査の流れを知ろう

フラット35ではどのように審査を行なっているのでしょうか?

ここでは、フラット35の大まかな審査の流れを説明していきます。

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まずは申込者が選んだ銀行などでフラット35の申し込みを行ない、必要事項を申告します。

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フラット35自体の本審査が行なわれる前に、申し込みをした銀行にて仮審査が行なわれます。ここで審査通過できない場合にはフラット35の審査基準を満たせていないことになります。

そのため、銀行の審査に通過できない方はフラット35の審査も通過できません。

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銀行の審査に通過すると、銀行側がフラット35のもう1つの提携先である住宅金融支援機構に買取申請をし、本審査が行なわれます。買取申請とは、住宅ローン利用者が融資額を受取った後に、申し込みをした銀行側が債券を住宅金融支援機構に買取ってもらうための申請です。

この申請の承認が降りると、住宅金融支援機構が買取った住宅ローンを担保にして投資家の市場から資金を得る仕組みになっています。本審査では、申込者本人の信用情報や譲渡債権適格基準に適合しているかなどを審査されます。

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在宅金融支援機構の審査に通過すると買取申請が承認されます。

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買取申請が承認されると銀行側から申込者に融資が実行されます。

4.フラット35の審査が厳しくなっている?

銀行などの住宅ローンに比べて審査が優しいといわれているフラット35ですが、実は徐々に審査が厳しくなってきています。

フラット35自体の審査基準が大幅に変わったわけではなく、申し込みを受け付けている銀行側が必要書類を偽装して提出していたなどの、ずさんな対応が発覚したためです。

これは、平成21年に制度拡充が行なわれてから偽造書類によって審査に通過した案件からの2年以上にわたる延滞などの返済トラブルが多発したために発覚したといわれています。

このようにフラット35が取扱銀行にずさんな対応をされていたのには原因があり、そもそも金利の低いフラット35では、取扱いを行なう銀行への利益が少ないことがあげられます。

そのため、銀行独自で取扱っている住宅ローンでは審査通過ができないような申込者に対してフラット35をすすめるような状態になっていました。

一時は住宅金融支援機構側からも銀行に申込者の情報など申告内容に不正がないよう、しっかりとした審査を依頼したのですが、銀行側からすると利益の上がらない商品にそこまで手間をかけることができないというのが本音のようで、下記のような実態が明らかになってしまいました。

・金融機関の6割ほどが住宅金融支援機構の審査方法の依頼に対し特に変更をかけていない

・金融機関の8〜9割ほどが住宅金融支援機構に依頼された説明通りに審査を行なわない

・金融機関の6割ほどが取扱店舗や機関内の関係する部署などに説明を行なっていない

このような事態が、国や法律などで定められた機関の財政を監督している会計検査院によって平成24年に指摘され、以降は審査を厳しくしたり、融資率によって買取額を変更したりするなどの何かしらの対策の提案がすすんでいます。

しかし、現状ではフラット35は審査の甘い住宅ローンというイメージがまだまだ払拭できておらず、住宅ローンの審査に通過できないからフラット35を選択するという理由で選ばれることも多いようです。

そんなフラット35でも、公式サイト上に明記されている事項に変化が現れ始めており、審査基準や審査方法については徐々にですが、銀行などの住宅ローンと同じレベルになっていくのではないかと推測されています。

よって、現在審査通過しているような申込者の中にも、審査方法の変更や審査基準が厳しくなることで将来的には同じ条件で申し込みをしても、審査通過が難しくなる可能性も十分にあります。

ただし、一定の条件をしっかり満たしていれば審査通過できないということはありませんので、勤続年数や年収などのアピールできるポイントをしっかり作っておくことも大切です。

まとめ

今回はフラット35の審査基準について調べてみました。

フラット35は1つの住宅ローンサービスであり、他の住宅ローンを知らない場合には特徴が掴みにくいのですが、銀行などが単独で取扱っている住宅ローンと比較することによってフラット35の審査の特徴がよく分かってきます。

銀行などが単独で取扱う住宅ローンなどの場合には、「貸付分の元金とともに利息分をしっかり返せる返済能力」がもっとも重要とされていますが、フラット35は返済能力に加えて、国の目指す国民の暮らしの基盤作りや優良住宅の普及などといった政策的な部分に一致した住宅を建設する(あるいは売却する)という目的も重要視されます。

申込者本人の情報と住宅の情報の両方を確認されるため、一見すると銀行が独自に取扱うカードローンの方が審査基準は優しいようにも見えますが、現在の時点では、銀行などが単独で取扱う住宅ローンよりも申込者自身の情報についての審査基準が優しいため、銀行が取扱う住宅ローンの審査に通過できるかどうか心配という方でも審査に通過できる可能性が十分にあります。

銀行が独自に扱う住宅ローンの審査に落ちてしまった方は、フラット35を検討してみることをおすすめします。