財形住宅融資の金利はどれぐらい?特徴や金利の推移も知りたい!

財形住宅融資の金利はどれぐらい?特徴や金利の推移も知りたい!

財形貯蓄とは、正しくは「勤労者財産形成貯蓄」といい、昭和46(1971)年に成立した「勤労者財産形成促進法」に基づき、厚生労働省が行う福利厚生制度です。

勤労者、つまり会社員が銀行など金融機関とこの契約を結ぶと、勤務先の会社が支払う給与から一定額が天引きされ、財形口座に積み立られていくというものです。申し込めば、自動的に積立てされていくため、計画的な貯蓄ができます。

この財形貯蓄の制度を利用している人が使える住宅ローンの中に、「財形住宅融資」というものがあります。これは、独立行政法人・住宅金融支援機構(以下「機構」)を通じて行う公的ローンで、5年間固定金利で始まり、その後5年経過するごとに適用金利を見直す「5年固定金利制」。住宅が中古の場合は質によって、25年以内となる場合もありますが、返済期間は基本的に最大35年までとなっています。財形住宅融資の金利はどれぐらい?特徴や金利の推移も知りたい!

1.財形貯蓄を継続しているならゼヒ利用を考えたい「財形住宅融資」

特定の期間を低い金利で据え置き、最大35年間の返済プランが組めるということで、「フラット35」を思い起こす人もいるでしょうが、そのフラット35や、他の民間住宅ローンなどとあわせて利用も可能です。また、申込み時点で満70歳未満(親子リレー返済の場合は満70歳以上でも申込み可能)という年齢基準、年間の合計返済額の割合が年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下という総返済負担率など、利用条件もフラット35と同じです。

しかも、同じ住宅に同居予定の家族が財形貯蓄を利用している場合、複数名でも申込めます。また、この制度を利用できる勤務先企業は、まず住宅手当や利子補給など、いずれかの負担軽減措置も受けられるはずなので、この点でも優遇されています。

この財形住宅融資、借入れ限度額は財形貯蓄残高の10倍、金額では最高4000万円までとなっています。フラット35の最大借入れ金額が8,000万円ですから、夫婦で財形貯蓄を行っているなら4,000万×2で同額相当の融資が受けられるということです。

ただし、この融資上限額は所要金額、つまり住宅の価格の80%までともなっているので、あまり高額な物件の場合は、差額を自分で調達しなければなりません。とはいえ、財形貯蓄を1年以上継続しており、貯金残高が50万円以上という条件に当てはまれば、利用しない手はないといえるほど魅力的です。

財形住宅融資の金利はどれぐらい?特徴や金利の推移も知りたい!

そうなると、唯一の不安材料となってくるのが5年ごとに変動することになっている金利です。この金利は、融資する機構が決定するのですが、当然その変動や決定には根拠があります。この根拠を把握しておけば、新たに借入れる時に金利の安い時期、いわば借り時を選べますし、5年目で変動する際にも事前に資金繰りを考えられます。

財形住宅融資の金利はどれぐらい?特徴や金利の推移も知りたい!

では、その金利を決定する根拠とはどんなものでしょう。

2.申込み時に決まる金利は、年4回変わるので安い時期を狙う

まず新規の場合。金利は財形住宅債券(5年利付)の利回りと、利用者が財形貯蓄を行っている金融機関からの借入金の利率を基準に決定します。前者は5年利付国債の発行条件を、後者は短期プライムレートで、借入れ期間1年として考えて算出します。

とはいえ、その他の要素も加味して決定されますので、具体的な数字は機構の公式Webサイト(http://www.jhf.go.jp/)で確認するのが手っ取り早く、間違いがありません。ちなみに直近、今年6月末まで適用される金利は0.78%で、一定の条件に合致し、特例措置が適用される場合は、さらに低く0.58%となっています。

この金利は3カ月に1回、1月と4月、7月と10月の各1日に変更され、前月27日を目安に先ほど挙げた、機構公式Webサイトの「金利情報」で発表されます。また、やはり機構のお客さまコールセンターや、取扱金融機関に問い合せても教えてもらえます。

こうした金利が、借入れの申込み日時点で決まる点も、財形住宅融資のメリットです。というのも、ほとんどの住宅ローンは、実際に融資が行われる時点で決まるため、申込み時点より適用金利が上がることもあるからです。それに比べると、長期間での資金計画が立てやすく、また不測の事態を回避できるというのが大きな特徴になっています。

財形住宅融資の金利はどれぐらい?特徴や金利の推移も知りたい!

3.6年目以降の金利は、契約締結日を基準日に決定

5年目までは申込み時点の金利が適用とされるとして、その後はどうでしょうか? 6年目以降の金利は、申込み日ではなく、契約締結日から5年経過日の、翌日の属する月の2カ月前の月の1日の段階で、新たに財形住宅融資を申し込むときの利率が適用されます。

非常にわかりにくいと思いますが、融資申込みが5年前の1月だったとしても、契約締結が4月1日だとすると、翌2日の属する4月の、2カ月前=2月の1日の段階で、新規申込みの人に適用される利率ということです。つまり今年の金利に当てはめると、直近だと0.78%ですが、適用されるのは2月段階の0.83%になるわけです。

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この見直しが同じ要領で、契約満了まで5年単位で行われ、11年目以降、16年目以降と繰り返されます。この変更された新適用金利、新返済額、借入金残高などの具体的な数字は、基本的に「償還予定表」などで前もって告知されます。時期は新適用金利が実際に適用される、最初の返済日の2カ月ほど前とされています。

4.「元金」と「元利」、どちらも返済額アップのリスクあり

金利が変わると返済額も変わります。「元金均等返済」の場合、5年目までは申込日当時の金利を乗せた返済額ですが、6年目以降は新適用金利に基づいて算出した返済額となるわけです。

注意したいのは、この新たに算出された返済額には上限がないことです。ということは、市場金利が急上昇したときは、返済額が大幅に増える恐れも出てきます。

一方「元利均等返済」の場合、5年目までは同様で、6年目以降は新適用金利で算出した返済額ですが、原則として新返済額は旧返済額の1.5倍が上限となります。一見、優しいようですが、市場金利が急上昇し、新適用金利による利息が新返済額を上回るようなとき、機構も金融機関も損しないよう手を打っています。

具体的には、新返済額との差額が「未収利息」となり、次回以降の返済日に繰り延べて支払わなければなりません。しかも未収利息は、元金や利息より優先して支払わなければならず、残っている間は元金が減りません。

そしてこの未収利息がある場合は、先に書いた上限額、旧返済額の1.5倍を超えてもOKとなります。その上で、期間満了時に未収利息を含む借入れ金が残っている場合、原則として最終回となる返済日に、一括で返済しなければなりません。

5.ゼロにはならないリスクは、他のローンを併用して緩和しよう

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このように、財形住宅融資は便利な反面、金利変動などのリスクもあります。これらのリスクについては申込み書類と一緒にもらえる「財形住宅融資の融資金利に関する確認書」で確認できますし、そもそもこの確認書を申込み時か、遅くとも契約時に提出しないと融資が受けられないようになっています。

理解できた、納得できたと思えるまでは申込みを控え、不明な点や疑問などが残る場合は、機構のお客さまコールセンターに問合せることをお勧めします。また機構では、リスク軽減の手段として、フラット35など長期固定金利住宅ローンの併用も勧めています。

財形住宅融資は、確かに頼りになる融資制度ではありますが、公的とはいえローンですから、頼りすぎたり、頼り切ったりするのは危険です。興味が出てきたとしてもこだわリすぎず、機構の窓口や取扱金融機関の担当者とよく話し合って、条件に合ったローン商品と組み合わせて利用したいものです。