経済効果の計算方法とは

経済効果の計算方法とは

経済効果が〇億円というニュースを聞いて「それだけ影響があるの?!」と驚いた経験はございませんか?

熊本県のPRキャラクター、くまモンの2016年の経済効果は過去最高の1,280億円だったそうです。1,000億円を突破しています。

経済効果が〇億円とよく耳にしますが、一体どのような計算をしているのでしょうか?今回の記事では、経済効果の計算方法についてご紹介します。 

1.そもそも経済とは?

経済効果の計算方法について考える前に、まず経済って何?というところから確認してみましょう。経済とは、「家庭」「会社」そして「政府」が主人公のお金にまつわる全てのことを指します。

経済とは

図で見ると漠然としていますが、例えば、あなたが会社で働きお給料をもらうことも「経済」お給料から所得税が差し引かれていることも「経済」あなたがもらった給料から秋葉原でお目当てのフィギュアを買うことも「経済」なんです。

2.経済効果って何?

経済効果の計算方法とは

モデルの益若つばささんは自身のアパレルブランドの売上試算が500億円だったため、「経済効果1,000億円の女」と言われていました。

なんだか、経済効果〇億円の女(男)って言われるの、カッコいいですよね。

では、経済効果って具体的に何でしょうか?秋葉原でフィギュアを買った男性を例にとって説明しましょう。

単にフィギュアを買う行為は経済効果ではなく経済です。

フィギュアを一つ購入し、男性はもっとフィギュアが欲しくなり、大人買い(大量購入)をしました。

大量購入をされた秋葉原のフィギュアショップは品切れになったので、仕入れ先に追加発注をしました。この時点で経済効果が生まれています。

一つの経済から需要が生まれ、その需要を満たすために別の経済が次々に派生すること。これが経済効果です。

3.経済効果には波及効果がある

波及効果

経済効果についてニュースを聞くと、必ず「〇億円の経済効果」「〇兆円の経済効果」といったように、お金の金額が非常に高額ですよね。

「一万円の経済効果」とは言いません。経済効果には波及効果があるから、高額な経済効果を生むのです。

波及効果とは何か?その名の通り波をイメージすると分かりやすくなります。波は風によって発生し、一度発生すると連続して起こります。

秋葉原でフィギュアを買った男性は、今度はフィギュアを並べるためのが欲しくなりました。

また、フィギュア雑誌も欲しくなりました。

フィギュアだけではなく、フィギュアにまつわる様々なことに興味が行き、その結果棚をつくる会社や雑誌をつくる会社(出版社)にも経済効果を生む結果となります。

このように、1つの経済効果がそれだけで留まらず、グッズ販売やサービスなど幅広く経済効果が発展していく事象を経済効果の波及効果と呼びます。

逆に、1つ目の経済効果のことを直接経済(フィギュアを買ったことだけを指す)と呼びます。

4.計算方法について

では、経済効果の計算方法についてご説明します。

①使用する表は産業連関表

経済効果を計算するのに使われるのは、産業連関表という統計表です。大抵の方は、この表について知らずに生活してきたことでしょう(私もそうでした)。

産業連関表は、以下のように縦軸が売り手(販売者)の費用と利益を指し、横軸が買い手(スーパーなどの卸先や消費者)にどれだけ売ったかの販売額となっています。

縦軸の各項目を足すと縦軸の総生産額となり、横軸の各項目を足すと横軸の総生産額となります。

縦軸の数字が大きくなると、横軸の数字も大きくなります。何故なら、野菜をつくるために肥料を増やし人件費を増やせば、販売出来る野菜の数も増えますよね(増えないと悲しいですよね)。

産業連関表

この観点から、縦軸の総生産額と横軸の総生産額は必ず一致しなければいけないというルールがあります。

(1)中間投入とは

野菜を例にしますと、縦軸には野菜を作るための肥料、農薬、燃料などが中間投入として入力されます。中間投入とは、経済用語の一つです。ある完成品が出来るまでに必要な材料や部品を指します。

(2)粗付加価値とは

粗付加価値には、雇用者所得営業余剰などを入力します。雇用者所得とは野菜をつくった労働者がもらえる給料を指します。営業余剰とは、ざっくり言って儲けです。

(3)営業余剰とは

営業余剰は、以下の計算式で求められます。

営業余剰=中間投入(肥料、農薬、燃料など)-雇用者所得(野菜を作る人の給料)

経済用語は少し難しく感じますが、具体的な言葉に置き換えると身近に感じますね。

②逆行列係数表とは?

産業連関表では、①(野菜を)作る人がどのくらいのコストと給料、そして利益を得たか、また②(作られた野菜が)どのくらいの量がどの取引先に販売されたのかが分かります。

経済効果を計算するには、これに加工を施した「逆行列係数表」という表を使います。

逆行列計数表は、ある部門(例、野菜)の最終需要が1単位発生した際に、当該部門の生産のために必要となる中間投入などの財・サービスがどれだけ増えるか示した表です。

例えば、野菜販売で販売額が1億円増えたとします。野菜の売り上げで1億円増えた場合に発生する財・サービスは何があるでしょうか?1億円も増えるのですから、設備投資や営業力強化といった背景があるかもしれません。

逆行列係数表を使えば、ある商品の販売数や販売額だけでなく、それを満たすために発生する費用も算出出来るのです。そのため、経済効果を測るために有効な計算法と言われています。

5.誰が経済効果を計算しているのか?

産業連関表は総務省が中心になり、5年おきに作成・公表しています。その他にも、都道府県や政令指定都市でも作成しています。

埼玉県では、なんと経済波及効果ツール(エクセル)を公式ページで提供しています。エクセルに経済(ここでは入力消費と呼びます)の内容を入力すると、波及効果が分かる仕組みになっています。

ご興味のある方は、以下URLを参照してください。

経済波及効果分析ツール|彩の国 埼玉県

※上記URLをクリックすると、埼玉県の公式ページにリンクします

まとめ

経済効果の計算方法は、産業連関表を加工した逆行列計数表を用いての計算です。

経済では家庭、会社、政府が密接につながった活動が日々行われているため、誰かが何かを買うという行為は、実は販売先の会社だけでなく材料の会社や労働者にも多くの影響を与えているのですね。