誰も住んでいない実家を今後どうするのか、将来どうしていこう、などのように考えたことがある人も少なくないと思います。
多くの人は、「売る」という事を考えているかもしれませんが、実際に「売る」となった時にどのように進めていったらいいのか、また、メリットやデメリットはあるのか、気になるところです。
今回は、実家を売却する際の様々な事についてお話していきます。
1.売却の際のポイント
売却が決まったからと言って何も準備をせずに売却を進めていくのはやめましょう。
売却が決まったら、前もってやらなければならないことがありますのでしっかりそのポイントを抑えておきましょう。
Ⅰ.相続手続き

自分自身に兄弟姉妹がいる場合に、実家の相続の話があったならば、1人は相続、他の人は現金、などのように平等に相続がいくように考えておきましょう。
相続に関しては、兄弟姉妹間のトラブルの一つともされています。
例え仲が良い関係であっても、意見は人それぞれ、先々何があるかも分かりません。
当然、一人でも反対をしていたら、売却は不可能となりますし、実家に近い距離に住んでいる兄弟姉妹ばかりが、実家の維持・管理をしているとなると、遠くに住む兄弟姉妹に対しての不満も募り、トラブルが発生してしまうということにもなります。
Ⅱ.登記簿名義

実家が売却となった場合には、誰もが「高い金額で」と考えるはずです。
高値での売却を望む場合に、確認しなければならないことが、登記簿の名義です。
今現在実家の所有者が誰なのか、そしてその所有者の名前に名義変更がされているのかを確認しておきましょう。
名義変更がされていることによって、より高値での売却が可能となります。
よくあるケースでは、父親が他界し、相続で母親になったのに、名義変更がされていない、祖父母が他界した時から名義変更がされていない、という事もあります。
Ⅲ.土地の境界線

自身の所有している土地がどこからどこまでなのかをしっかり把握しておきましょう。
人が多く集まる都心部についても境界線を把握しきれていないケースも多く、この場合、隣人に住む方に話をしても、承諾の印鑑をもらえないということにもなりかねません。
また、土地の境界線を把握していないことにより、売却・兄弟姉妹間での分割・物納も出来なくなってしまいます。
2.売却の方法
単に売却と言っても方法が1つではなく、何のために売却を考えているのか、によっても売却方法は変わってきます
自身の売却の目的を考えながら見ていきましょう。
A.時間や手間をかけたくない

この場合は、リフォームにかかる費用や解体等を行う費用等、全てが買う側の負担となるため、その分、売却価格は低くなってしまいます。
そして、なんとしてもデメリットとして精神的に負担と感じる方は少なくありません。
家族との思い出の場所ですから、実家の売却を決めたものの、いざ売却を目の当たりにすると悲しく、売却を決めてしまったことに罪悪感をも抱く方が多いのです。
リフォームや解体がされてしまってからでは遅いので、実家が残っている間に、写真等の別の形で、思い出として残しておくことをオススメします。
B.高く売却したい

この場合は、解体をお願いする解体業者の信頼性を見極める必要がある上に、解体をする時間・費用も掛かってきます。
ですが、「中古戸建」「古家付き土地」よりも高い金額で、尚且つ比較的早い段階で売却出来るという利点があります。
高値での売却を目的としている場合には、Bの方法の方が良いかもしれません。
解体をする上での注意点が、解体工事の見積もりにどの範囲が含まれているのかという事です。
よく見落としてしまいがちなのが、地面の下、いわゆる地中にあり使用していない浄化槽であったり、設計図上には載っていない大きい杭基礎です。
見積書よりも大幅な費用がかかってしまうようなことがないように、あらかじめ工事内容の確認をし、両者が納得のいくように解体工事を行えるようにしていきましょう。
3.売却におけるメリット・デメリット
ここまでで売却に関してお話をしてきましたが、実家を売却することのメリットやデメリットはどんなことか、これもしっかり把握しておきましょう。
メリット面
まとまった金額が入る
まとまった金額が入ることにより自身がうける影響が以下のようなことです。

上記の他にも、新しいことを始めようとしている方、起業を考えている方がいれば、それらの運用資金としても確保することが可能となります。
実家の管理をする必要がなくなる

売却することで、実家を維持するために行ってきたこともする必要がなくなります。
時間や手間が省けるという点でメリットとなるかもしれません。
リフォーム・メンテナンス費用が不要となる(中古戸建・古家付き土地の売却の場合)
中古戸建・古家付き土地として売却をした場合は、リフォーム・メンテナンス費用の負担は買う側となります。
デメリット面
希望する金額での売却は難しい
望み通りの金額で売却が出来るのかというと、そういうわけではありません。
必ずしも希望した金額で売却出来るわけではないので、始めから高値での希望は避けた方がいいでしょう。
必ずしも売れるわけではない
実家の状態や立地等によっては、なかなか売れない可能性もあります。
実家の状態が現状どのような状態なのか、いくらくらいになるのかなど、不動産業者に相談をしてから考えるのもいいかもしれません。
兄弟姉妹・親戚の集まる場所がなくなる
実家が無くなることにより、仲の良い兄弟姉妹であったとしても、集まる場所が無くなってしまいます。
また、思い出も無くなってしまうため、どこか寂しい気持ちになる方も沢山います。
まとめ
今回は実家の売却についてまとめましたが、「誰も住んでいない実家をずっと残しておくのも…」と考えることは、当然の事です。
だからと言っていざ売却を目の当たりにすると、どこかもどかしい気持ちにもなります。
実家を売却する際は、まず何のために売却をするのか、売却することで得られる物は何か、しっかりと考えて行動するようにしましょう。